おすすめの歴史小説 vol.6
はじめに
今回は司馬遼太郎さんの『竜馬がゆく』を紹介します。
この作品は1968年に大河ドラマ(北大路欣也さんが主演を務めました)として放送されました。
物語に関係する出来事
『竜馬がゆく』に登場する出来事を年表にまとめると以下の通りです。
- 1853年 ペリー来航
- 1854年 日米和親条約調印
- 1858年 日米修好通商条約調印
- 1858〜59年 安政の大獄
- 1860年 桜田門外の変
- 1862年 和宮(孝明天皇の妹)降嫁、坂下門外の変、寺田屋騒動、
文久の改革(薩摩藩主島津久光による政治改革)、生麦事件 - 1863年 長州藩の攘夷活動活発化。薩英戦争、八月十八日の政変
- 1864年 池田屋騒動、禁門の変、第一次長州征討、四国艦隊下関砲撃事件
- 1866年 薩長同盟、第二次長州征討
- 1867年 大政奉還、坂本竜馬暗殺
この物語の見どころは次の3つです。
①坂本竜馬の成長
物語を通じて、竜馬はさまざまな人と出会います。千葉道場の人々や同郷の武市半平太・中岡慎太郎から亀山社中の陸奥宗光、薩摩藩の西郷隆盛や小松帯刀、長州藩の桂小五郎・高杉晋作、幕臣の勝海舟、公家の三条実美や岩倉具視に至るまで竜馬が出会った人々は立場や考えも異なっていました。
彼らとの出会いによって竜馬の考えは攘夷から開国へ、さらに倒幕から大政奉還へと変化していきます。
②幕末を生きた人々
武市半平太や高杉晋作など、竜馬が出会った人物の中には幕末の動乱の中で散った者も数多くいました。けれども、彼らもまた歴史を動かしたのは事実です。
幕末の動乱期を駆け抜けた者たちの生き様にも注目です。
③「坂本竜馬」という生き方
坂本竜馬は開国か攘夷か、倒幕か佐幕か、といった「0か1か」しか考えられない状況の中で常に第3の道を探し続けていました。
その結果、竜馬の選んだ選択(薩長同盟や大政奉還)は人々を、そして歴史を大きく動かしました。
おわりに
この作品は「幕末のヒーロー」を生み出した1冊と言えるでしょう。
以前紹介した『流人道中記』と合わせて読んでみるのもおすすめです。