雪と日本史

はじめに

2月に入り寒い日が続いていますね。
特に今週は最強寒波の影響で、関東でも雪がちらついていますね。

そこで今回は雪にまつわるエピソードを紹介します。

雪にまつわる歴史上の出来事

実は歴史上の大きな事件には雪が絡んでいます。

例えば、1701年12月14日の赤穂浪士による吉良邸の討ち入りがあります。
時代劇などでは討ち入り当日に雪が降っていますが、実際の天気は晴れだったそうです。ただし前日に降った雪が地面に残っていました。
雪が足音や気配を吸収したからこそ討ち入りは成功した、とする見方もあるようです。

また、桜田門外の変が起きた1860年3月3日は季節外れの大雪が降っていたそうです。
この時、井伊直弼を護衛する武士たちは刀が濡れないよう鮫皮を刀に巻きつけていました。
そのため、襲撃された際にすぐに刀を抜くことができず、対応できなかったと言われています。

このように雪は歴史上の出来事とも関わっていますが、歴史上の人物にも雪にまつわるエピソードがあります。今回は3つ紹介します。

①香炉峰の雪

清少納言が中宮定子に仕えていた時期のこと、雪が降った日がありました。

そこで、定子は清少納言に対し「香炉峰の雪はどうか」と尋ねてきました。
すると、清少納言は格子をあげ、御簾を持ち上げて定子に雪景色を見せました。

中国の漢詩(白居易の「香炉峰の雪は、簾を掲げてみる」)を踏まえた清少納言の行動に、定子は喜んだとか。

②信長の草履

秀吉が織田信長に仕えていた頃のこと、雪の日に信長が草履を所望しました。
草履取りだった秀吉が差し出した草履を履いてみると、妙に温かいことに信長は気付きます。草履を尻に敷いていた、と思った信長は秀吉を殴りつけます。

すると、秀吉は「背中に入れて温めていた」と言います。見てみると、背中には草履の跡が残っていました。

秀吉の気遣いに感心した信長は、秀吉を草履頭にしました。

③雪合戦

戦国時代のある雪が降った日のこと、毛利元就は家臣に対し座敷で雪合戦をすることを提案します。

そこで近習(武将のそばに仕える家臣のこと)に雪を運ばせ、若い衆を相手に雪合戦をして楽しみました。

実は元就の行動には狙いがありました。元就は若い衆が寒さに負けて炬燵に入って堕落していることを懸念しており、率先して雪合戦をすることで自ずと若い衆にも雪合戦に加わり、寒さに慣れる、ということを意図した上での行動でした。

おわりに

時代は違えど、季節は巡ってくるということを感じさせますね。

参考文献・参考サイト

清少納言著 萩谷朴訳
『新潮日本古典集成 枕草子 上』(新潮社、1977年)
岡谷繁実 北大路健 中澤恵子
『名将言行録 現代語訳』(講談社学術文庫、2013年)