元号 Part1
はじめに
今年は「昭和100年」ということで何かと話題になっていますね。
そこで今回は元号がテーマです。
なぜ元号が変わるのか
江戸時代までは、大きく分けて四つの理由で元号が変わりました。
- 代始改元(天皇の代替わりの際に改元)
- 祥瑞改元(不思議な自然現象や珍しい植物・鉱物が出たことを寿ぎ改元。これらは天子の政治が天帝に認められた吉兆と考えられていました)
- 災異改元(天変地異や戦争などの人災が起きた時に改元。これらは祥瑞改元とは逆に天の戒めと考えられていました)
- 革年改元(干支の辛酉や甲子の年は革命が起こると考えられ、それを避けるために改元)
明治時代以後は一世一元の制によって、天皇が使う元号は一つきりになりました。
今回は使用期間の短い元号を紹介します。
①養和
この元号は平安時代末期、源平合戦の頃に使われた元号です。使用期間は10ヶ月で、この元号への改元のきっかけは安徳天皇の即位に伴う代始改元でした。
ただ、養和年間は平清盛が亡くなり、西国を中心に養和の飢饉が発生するなど、平氏にとっては多難な期間でした。
②天平感宝/暦仁
天平感宝は奈良時代に使われた元号です。使用期間は3ヶ月で、この元号への改元のきっかけは陸奥国(現在の宮城県)で金が産出されたことによる祥瑞改元でした。
この時産出された金は、当時造っていた東大寺の大仏の塗装に用いられました。
なお、同じく3ヶ月しか使用しなかった元号には、鎌倉時代の暦仁がありました。
③朱鳥
朱鳥とは飛鳥時代に用いられた元号です。使用期間はたった2ヶ月でした。この元号への改元は赤雉が献上されたことによる祥瑞改元とされていますが、天武天皇の病気快癒のために改元したという説が有力です。
その後、天武天皇が亡くなり、持統天皇が即位したことで、この元号は使われなくなりました(元号停止がはっきりしていないという説もあるそうです)。
おわりに
一定の元号が長く続くことはなかなかないと考えさせられますね。
参考文献・参考サイト
- 所功 久禮旦雄 吉野健一
- 『元号読本 -「大化」から「令和」まで全248年号の読み物事典-』(創元社、2019年)