「光る君へ」にまつわる女性たち

はじめに

大河ドラマ「光る君へ」が放送中ですね。
古典の授業で登場したり、名前の聞いたことがある人物も登場しはじめてきましたね。

そこで今回は「光る君へ」に登場する&その頃に活躍した女性たちを紹介します。

なぜ平安時代に女流文学が続々と生まれたか

平安時代の女性には①美しく長い黒髪、②教養、③和歌の上手さ、が求められていました。

そこで、藤原氏は自分の娘を入内(天皇に嫁がせること)させるため教養をつけさせようと、インテリ女性を集めました。

折しも、「かな文字」が登場したことで細かい心理描写が容易になったことも影響していました(とはいえ、男性は引き続き漢字を公式の場で用いていました)。

こうして、インテリ女性たちによって優れた女流文学が数多く生まれました。
ここでは5人紹介します。

①藤原道綱母

藤原道綱母は『蜻蛉日記』の作者です。「光る君へ」では財前直見さんが演じています。
『蜻蛉日記』には藤原兼家との結婚生活が赤裸々に(兼家に浮気されたことも含め)綴られており、日記文学の草分けと言われています。

②清少納言

清少納言は『枕草子』の作者です。「光る君へ」ではファーストサマーウイカさんが演じています。清少納言は中宮定子(藤原道隆の娘)に仕えました。
『枕草子』には中宮定子に仕えた頃の思い出などが綴られており、『方丈記』『徒然草』と並び日本三代随筆と称されています。

③紫式部

紫式部は『源氏物語』の作者です。「光る君へ」では吉高由里子さんが演じています。
紫式部は中宮彰子(藤原道長の娘)に仕えました。
光源氏の恋模様(「宇治十帖」と呼ばれる部分は光源氏の子の薫と匂宮が主人公)を描いた『源氏物語』が藤原道長の目に止まり、彰子に仕えるきっかけとなりました。

④和泉式部

和泉式部は『和泉式部日記』の作者です。紫式部と同様に、中宮彰子に仕えました。
『和泉式部日記』には敦道親王との身分違いの恋の様子が綴られています。
ちなみに、娘の小式部内侍も有名な歌人です。

⑤菅原孝標女

菅原孝標女は『更級日記』の作者です。ちなみに、藤原道綱母とは遠い親戚にあたります。
『更級日記』には『源氏物語』をひたすら求めた少女時代、結婚して母となり子や夫のために参詣に勤しむ日々、そして物語に夢中になりすぎて人生を棒に振ってしまった後悔などが記されています。

おわりに

これを見れば「光る君へ」が楽しくなる…かも?

参考文献・参考サイト

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『愛とゴシップの「平安女流日記」』(PHP文庫、2013年)