おすすめの歴史小説 vol.26

はじめに

今回は葉室麟さんんの『孤篷のひと』を紹介します。
この物語は茶人の小堀遠州の生涯を描いた作品です。

物語に関連する出来事

  • 1590年 小田原攻め、秀吉、天下統一
  • 1591年 千利休、切腹を命じられる
  • 1600年 関ヶ原の戦い
  • 1614〜15年 大阪の陣
  • 1627〜29年 紫衣事件
  • 1637〜38年 島原の乱

この物語の見どころは次の3つです。

①天下泰平までの過程

小堀遠州は元々豊臣秀長の小姓でしたが、やがて徳川家康に仕えるようになり、ついには将軍(家光)に献茶をするまでになります。

その過程とともに、小田原攻めや関ヶ原の戦い、紫衣事件についても扱っています。

戦国時代の動乱が収まり、朝廷との関係も安定していく、まさに世の中が「泰平」になっていくまでが描かれています。

②一期一会

この物語は茶道具とともに、それにまつわる人物との関わりが描かれています。

例えば、千利休、古田織部のような先人の茶人たちもいれば、後水尾天皇や藤堂高虎、伊達政宗といった「茶のあり方」に示唆を与えるものもいました。

彼らとの出会いを通じ、小堀遠州は「綺麗寂び」の茶風を作り上げていきます。

③茶の精神

多くの人々との出会いを通じ、小堀遠州は「茶のあり方」「天下泰平の茶」とはいかなるものか、模索していきます。

その過程で見出したのが「生きる」茶でした。

小堀遠州が見出した茶の精神は、普請や庭園、民政にも息づいていきます。

おわりに

小堀遠州とは「茶」を通じて世の中に、人に向き合ったということがわかる一冊です。