偉人の陰にあだ名あり vol.9

はじめに

本などでブログのネタを探していると、「残念な〇〇」というふうな本のタイトルを見かけます。人々は単なる成功談だけではなく、失敗談も求めている裏返しなのかもしれません。

そこで今回は「残念なあだ名」を持つ歴史上の人物を3人紹介します。

①和気清麻呂

1人目が和気清麻呂です。
この人物は宇佐八幡神託事件(当時天皇だった称徳天皇が寵愛する道鏡を皇位につけようと画策した事件)で道鏡が皇位につくことを阻止したほか、平安京の遷都に一役買った人物です。
上にあげたような功績から、皇居には彼の銅像が立っているほか、お札の顔にもなった人物です。

そんな和気清麻呂ですが、称徳天皇から「別部穢麻呂(わけべのきたなまろ)」と名前を変えられてしまいます(ちなみに清麻呂には広虫という姉がいましたが、彼女も「狭虫」と名前を変えられてしまいます)。

現在からすればなんとも残念な名前ですが、「言葉に力が宿っている」と信じられていた当時は名前に変えることが称徳天皇ができた和気清麻呂への復讐だったのかもしれません。

②堀田正睦

2人目は堀田正睦です。
この人物は日米修好通商条約の締結(および、通商を始めること)に奔走しましたが、朝廷の許可が得られずに失脚してしまいました(ちなみに、この人物が失脚したのちに大老となった人物が井伊直弼です)。

そんな堀田正睦は蘭学を奨励するなど、開明的な思想の持ち主でした。
そのせいもあってか、彼は「蘭癖」(=オランダかぶれ)というあだ名がつけられてしまいました。

あだ名まで踏んだり蹴ったりな印象が否めないですね。

③坂本龍馬

3人目が坂本龍馬です。
この人物は薩長同盟の締結に関与するなど、幕末の歴史に影響を与えました(当ブログでもこの人物について取り上げていますね)。

そんな坂本龍馬には「夜便ったれ(よばあったれ)」というあだ名がありました。
彼には寝小便(=おねしょ)の癖があったことに由来しています。

幕末のヒーローにしては、いささか残念なあだ名かもしれません。

おわりに

あだ名も含め、全てが完璧な人物などいない、ということを考えさせられますね。

参考文献・参考サイト

本郷和人
『東大教授が教える やばい日本史』(ダイヤモンド社、2018年)