元号 Part.2
はじめに
以前、使用期間の短い元号を紹介しました。
今回は使用期間の長い元号を紹介します。
元号はどう決まるのか
前回は元号がいつ変わるのかを扱ったので、今回は元号がどう決まるかをまずは紹介します。
平成までの元号は中国の漢籍の文章をもとに、元号を決めていました。
主に、史書類(広義の歴史書)、経書類(広義の哲学書)、集書類(詩文の集成書)、子書類(学説書)、緯書類(経史の特異な注釈書)を参考にしていたそうです。
なお、「令和」は初めて日本の書物(万葉集)から元号が決定されたことでも話題となりました。
ということで、明治よりも前の元号で、使用期間の長い元号上位3元号を紹介します。
①延喜(901〜922年)
「延喜」とおは平安時代中期に用いられた元号です。使用期間は21年です。
この元号は901年の干支が「辛酉」だったことによる革命改元です(当時「辛酉」の年は大きな動乱が起こると考えられていました)。
なお、この元号の間には、醍醐天皇による親政(天皇自ら行う政治)が行われていました。
②延暦(782〜805年)
「延暦」という元号は奈良時代末期〜平安時代の初めに使われた元号です。使用期間は23年です。
この元号は桓武天皇の即位をきっかけとした改元でした(桓武天皇は渡来人の血を引いており、中国的な君主のあり方を目指してこの元号にしたと考えられています)。
なお、この元号の間には平安京遷都が行われました。
③応永(1394〜1428年)
「応永」年間は室町時代に使われた元号です。使用期間は34年です。
この元号は後円融天皇の崩御をきっかけとした災異改元でした。
応永年間の最初は足利義満が政治の主導権を握っていました(日明貿易もこの間に始められました)。
そのため、「応永」という元号と足利義満が結びついたことや、特に改元を行う必要性を感じていなかったこともあって、これほど長期間にわたってこの元号が用いられました。
おわりに
長く使われていれば、色々あるよ、人間だもの(相田みつを風)。
参考文献・参考サイト
- 所功 久禮旦雄 吉野健一
- 『元号読本 -「大化」から「令和」まで全248年号の読み物事典-』