おすすめの歴史小説 番外編 Part.2
はじめに
今回は永井路子さんの『新 日本をさわがせた女たち』を紹介します。
この本はその名の通り、歴史をさまざまな意味で騒がせた女性が紹介されています。
本の構成
- 謎の女帝第一号 推古天皇
- 幻の女王 額田王
- 美貌の女帝 元明天皇
- 王朝の悪女に乾杯! 伊勢
- 王朝の長寿VIP 藤原彰子の系譜
- 王朝の落ちこぼれ 藤原元子
- 謎の大富豪 上西門院統子 八条院暲子
- 美女に愛された美女 小督
- 平家の肝っ玉母さん 平時子
- 大剣的戦国経営学 京極お初
- 優雅なる殺生石 東福門院和子
- 大奥スキャンダルの女王 絵島
彼女たちは日本をどう騒がせたのか、大きく3つに分けて紹介します。
①政治
本章で出てくる女性たちの中には、政治の面で歴史に大きな影響を与えました。
例えば、日本最初の女帝である推古天皇は古代の政治の影の実力者でした。
また、美貌の女帝とうたわれた元明天皇は、藤原氏と水面下の攻防を繰り広げていました。
さらに、長寿のDNAをもつ藤原彰子は、「国母」として政治的な影響力を持ち、藤原氏の栄華を長きにわたって支えました。
②恋愛
本章の女性たちの中には、「恋愛」の面で名を残した者もいました。
例えば、額田王は不明な点が多いものの、2人の皇子(のちの天智天皇・天武天皇)に愛されたことで有名です。
また、伊勢は上級貴族との浮き名を流した他、天皇の親子にも見初められました。
さらに、小督は高倉天皇に見初められ、天皇との子を産んだことで、時の権力者だった平清盛をヤキモキさせました。
③スキャンダル・事件
本章の女性たちの中には、スキャンダルで文字通り「世間を騒がせた」者もいました。
例えば、藤原元子は「水を産んだ」として世間を騒がせました。
また、平時子は安徳天皇や三種の神器とともに入水し、平家の幕引きを図ったことでその名が知れ渡しました。
さらに、奥女中だった絵島は、歌舞伎役者の生島新五郎と深い仲になり、今だったら文春の記事になりそうな事件を引き起こしました。
おわりに
歴史上、女性は男の陰に隠れている、なんてことはないと教えてくれる一冊です。