やりすぎな日本史
はじめに
12月に入りましたね。私はラグビーの試合を見ることが好きで、12月になると「もうすぐシーズンが始まるなぁ」と考えてしまいます。
自分が好きなもの・好きなことに夢中になることは誰しも経験があることですね。
「好きこそものの上手なれ」という諺もあるぐらい、好きなことに熱中することは良いことではあります。
ただし、中には限度を超えて好きなことに夢中になった人物がいました。そんな歴史上の人物を3人紹介します。
①冷泉天皇
1人目は冷泉天皇です。この人物は10世紀後半ごろに天皇だった人物です。大河ドラマ「光る君へ」に登場した花山天皇や三条天皇の父にあたる人物です。
そんな冷泉天皇は蹴鞠(サッカーのリフティングのようなもの)が大好きでした。
ただ、好きすぎるあまり、蹴鞠をやりすぎて足から血が出ます。それでも蹴鞠をやめようとはしませんでした。
はたから見るとかなりホラーな光景が広がっていたことでしょう。
②後白河法皇
2人目は後白河法皇です。この人物は「日本一の大天狗」と称された人物です。源平合戦後、源頼朝と義経兄弟が対立するきっかけを作ったのもこの人物です。
そんな後白河法皇は今様(平安時代から鎌倉時代にかけて朝廷で流行した歌謡のこと)が大好きでした。実際に『梁塵秘抄』という今様集を自ら作っています。
ただし、今様が好き過ぎて口ずさんでしまうあまり、ついには声が出なくなってしまいます。それでも歌い続けようとしたため、とうとう喉が潰れて出血してしまいました。
先の冷泉天皇同様、どことなく狂気すら感じさせますね。
③内田百間
3人目は内田百閒です。この人物は大正から昭和時代にかけて活躍した小説家です。代表作に『阿房列車』があります。
そんな内田百閒の好きなものは夏目漱石でした(夏目漱石に師事していました)。彼は漱石が書いた書画から漱石の鼻毛付きの原稿用紙に至るまで漱石にまつわるものはなんでも集めました(果ては漱石からもらった古着でコスプレごっこをする始末でした…)。
ある時、漱石が百間の家を訪ねると漱石の絵画が飾られていました。漱石にとってその絵画は人に見せられる代物ではなかったため、「捨てられるのが辛い」と懇願する百間をよそに漱石はその絵を破り捨ててしまいました。
百間のコレクターぶりには漱石もさぞかし驚いたに違いありません。
おわりに
たとえ好きなことであっても「ほどほど」が大事ですね。
参考文献・参考サイト
- 進士素丸
- 『文豪どうかしてる逸話集』(KADOKAWA,2019年)