縄文時代
はじめに
最近の教科書を見てみると、旧石器時代や縄文時代などで「前にはこんな記述なかったなぁ」と思う内容が増えています。
そこで今回は縄文時代をテーマに、最近の縄文時代を紹介します。
縄文時代について
最近の研究では、縄文時代は今から1万6500年前頃から始まり、今から2800~2500年ほど前に終わったと考えられています。
縄文時代は現代の私たちからあまりにも時間的に遠すぎるあまり、イメージが持ちづらい時代かもしれません。
けれども、教科書などで教える縄文時代の姿は変わりつつあります。
①縄文時代はグルメな時代だった
さまざまな食べ物が溢れる現代からすれば、「縄文時代はなんとなく食べ物が少なそう」というイメージがあるかもしれません。しかし、実はそうではないようです。
縄文時代の人々はクリ・クルミなどの木の実やヤマイモ・ゼンマイ・タラの芽などの山菜の収集のほか、イノシシ・シカ・カモなどの狩猟、貝やマグロなどの漁労を行っていました。現在も食べられているような食材は縄文時代から食べられていました。
また、一部では豆類やエゴマ・ヒョウタンなどの栽培も行われていました。
縄文時代は今に負けず割とグルメな時代と言えるかもしれません。
②縄文時代にも身分はあった
縄文時代は「みんな平等」というイメージがついてきます。
けれども、腕輪や首飾りといった装身具を身につけて埋葬された人骨があったことから、それなりにリーダー的存在の人は存在していたと考えられています。
とはいえ、弥生時代ほど明らかな身分の差がある、というわけではなく、祭祀を取り仕切る存在くらいの認識だったと考えられます。
縄文時代はそうしたリーダー的存在がいながらも、食料を共有したりみんなで協力したりして生活していたのかもしれません。
③縄文時代からコメが作られていた?
よく「稲作は弥生時代から」と言われていますが、実は縄文時代の終わり頃から行われていた可能性が出ています。
というのも、稲作は複数のルートを通じて伝来したと言われているからです(ちなみに、一番有力なのが長江からのルートと考えられています)。
そのため、九州では縄文時代晩期に稲作が行われていたと考える説もあります(ただし、九州で稲作が行われた時期を弥生時代とする見方もあるようです)。
なお、かつて稲作は段階的に広まったと言われていましたが、今日では弥生時代の早い段階から一気に広まったとする見方が有力です。
おわりに
知られざる縄文時代の姿が明らかになっていきますね。
参考文献・参考サイト
- 歴史ミステリー研究会編
- 『昔の教科書とはこれだけ変わった! 日本史の新常識』(彩図社、2020年)