偉人たちの名言・東西比較

はじめに

以前、三谷幸喜さんのミュージカル「日本の歴史」を鑑賞したことがあります。ミュージカルの中で「自分が通ってきた道はかつて同じように誰かが通った道」というセリフがあります。


このことは名言でも同じことが言えるでしょう。名名言と呼ばれるものは伝えたいことの本質はどれも同じであると私は考えます。


そこで、今回は日本と世界の偉人の名言を比較します。

ムーター・ケントと岩崎弥太郎

ムーター・ケントはコカコーラのCEOを務めていた人物です。そんな彼の名言がこちらです。

正面から向かい風が吹きつけてきたときは、それと同じくらい強力な追い風がどこかに必ず吹いているはずだと私は考えています。大事なのは、その追い風を見つけることだと思います。

2008/11/20 ペンシルベニア大学ウォートン校での講演より

一方、岩崎弥太郎は三菱の生みの親です。そんな彼の名言がこちらです。

人間は一生のうち、必ず一度は千載一遇の好機に遭遇するものである。しかし、凡人はこれを捕らへずして逸してしまふ。古語にも『機を知るは、夫れ神か』とある。機会は雲中に現れる蛟龍のごときもので、たちまち隠れてしまふ。これを捕捉するには透徹明敏の識見と、周密なる注意と、豪邁なる膽力が必要である

『岩崎弥太郎伝 上巻』

どちらも「チャンスを掴むこと」の重要性を説いていますね。

スティーブ・ジョブズと大久保利通

スティーブ・ジョブズはAppleの生みの親です。スティーブ・ジョブズの名言というと「Stay hungry, stay foolish」が有名ですが、ここでは他の名言を紹介します。

みなさんに与えられた時間には限りがあります。ほかの人の人生を生きて、時間を無駄にしないでください。他人の意見という雑音にあなたの内なる声をかき消されないようにしてください。そして一番大切なこと。どうか勇気をもって自分の心と直感に従ってください。

2005/6/12 スタンフォード大学卒業式のスピーチより

一方、大久保利通は維新三英傑の一人です(残りの二人は西郷隆盛と木戸孝允)。大久保利通は明治維新とその後の国家づくりに孝謙しました。そんな彼の名言がこちらです。

彼は彼、我は我でいこうよ

『歴史人 2月号』(ABCアーク、2022年)

どちらも「人は人、自分は自分であること」「自分らしく生きること」の重要性を教えてくれますね。

コナン・オブライエンと広岡浅子

コナン・オブライエンはアメリカのテレビ司会者です。そんな彼の名言がこちらです。

みなさんにお願いしたいのは、好ましい経験だけではなく、つらい経験もしてほしいということです。時には転んだり、へまをしたり、物を壊したりしてほしい。そしてそういう経験をするときのために失敗しても人生が終わるわけではないのだと覚えておいてください。

2000/6/7 ハーバード大学卒業式のスピーチより

一方、広岡浅子は日本の女性実業家で、朝ドラ「あさが来た」のモデルとなった人物です。炭鉱産業に参入したり、日本女子大学設立に尽力したりしました。そんな彼女の名言がこちらです。

九転び十起き

どちらも「失敗してもそこで終わりじゃないこと」「失敗しても立ち上がること」の重要性を伝えてくれていますね。

おわりに

偉人たちの名言は、形こそ違えど、伝えたいことに普遍性を感じさせますね。

参考文献・参考サイト

サイモン・マイヤー ジェレミー・コウルディ著 池村千秋訳
『スピーチの天才100人 -達人に学ぶ人を動かす話し方-』(阪急コミュニケーションズ、2010年)
『歴史人 2月号』
(ABCアーク、2022年)
大同生命ホームページ「広岡浅子の生涯」
(https://www.daido-life.co.jp/)(2024-4-20アクセス)