偉人の言い訳

はじめに

叱られたり、注意されたりした時、「でも…」「だって…」とついつい言い訳したくなる時ってありますよね。
今回は「言い訳」がテーマです。

言い訳をしたくなるメカニズム

なぜ私たちは言い訳をしたくなるのでしょうか。そこには心理的なメカニズムが関係しています。
私たちは心理的に矛盾した状態(例えば、「ダイエットしたいけどケーキが食べたい」という状態)を抱えると不快に感じます。
そこで、不快な状態を解消するために自分の行動や判断を正当化しようとします(先ほどの例の場合なら「今日はご褒美デー」とか「ダイエットは明日から」と言ってケーキを食べてしまう、というように)。これが言い訳の正体です。

けれども、偉人たちも言い訳をしていました。3つ紹介します。

①徳川家康の言い訳

徳川家康は三方ヶ原の戦いで敗れ、ほうぼうの体で戦場から逃げ出します。その際、家臣から脱糞したことを指摘されると、「これは味噌だ」と言い訳しました。
もっともこのエピソードの真偽は不明です。先日の「どうする家康」でもこのエピソードは噂話程度にしか扱われませんでした。

②夏目漱石の言い訳

夏目漱石は米が稲になる事を知らなかったようです。のちに芥川龍之介からその事を指摘されると、「稲は知ってたし米も知っていた。米が稲になるのを知らなかっただけだ」と言い訳しました。
文豪の言い訳はどことなく言葉遊びの感じがします。

③宮沢賢治の言い訳

宮沢賢治は密かにいかがわしい本を収集していました。その事が生徒にバレると、「子供が間違いを起こさないように教えたい」とか言い訳を始めます。挙句、「誰かを傷つけるわけではない」と開き直る始末でした。
ここまで開き直られると困ったものです。

おわりに

偉人だって言い訳するよ。人間だもの。

参考文献・参考サイト

キャロル・ダウリス エリオット・アロンソン
『なぜあの人はあやまちを認めないのか -言い訳と自己正当化の心理学-』(河出書房新社、2009年)
本郷和人
『東大教授が教える やばい日本史』(ダイヤモンド社、2018年)
進士素丸
『文豪どうかしてる逸話集』(KADOKAWA、2019年)