長篠の戦い
はじめに
今年の大河ドラマ「どうする家康」が長篠の戦いに差し掛かりそうですね。
そこで、今回は長篠の戦いがテーマです。
長篠の戦いについて
長篠の戦いとは、1575年に武田勝頼軍と織田信長・徳川家康連合軍は長篠・設楽原で戦った出来事です。
当時、武田軍には「武田騎馬隊」という最強の騎馬隊がいました。そこで、織田信長は馬防柵を設けて武田軍の動きを封じるとともに、三千挺の鉄砲を用いた「三段撃ち」と呼ばれる戦法で武田軍を打ち破りました。
長篠の戦いについてこのように学んだ人も多いことでしょう。しかし近年、長篠の戦いの見解は変わりつつあります。
①三段撃ちはなかった?
実は織田軍は鉄砲を三千挺も持っておらず、実際は千挺ほどだったと考えられています。また、千人の鉄砲隊を三列に配置し、一斉に射撃して移動するのは困難です。
そのため、実際のところはコンビニや駅の改札の並び方のように射撃準備のできた人が空いたスペースに入って攻撃した、と考えられています。
②武田騎馬隊は最強じゃない?
実は武田軍の騎馬隊の割合は少なかったです(28人中3騎程度とも言われています)。
また、この時代の馬は体高が150cmもなく、「ポニー」の部類に入りました。
③武田軍も鉄砲を持っていた
実は武田軍も鉄砲を持っていました。したがってこの戦いは鉄砲隊同士の撃ち合いから始まり、やがて歩兵が攻撃を仕掛けていったと考えられます。
ただし、両者の鉄砲の質は違いました。武田軍の鉄砲は銅の弾を使用していたのに対し、織田軍は東南アジア産の鉛の弾を使用していました。そのため、鉄砲の飛距離・威力ともに武田軍よりも優れていました。
鉄砲はすでに戦争のあり方を変えていたことがわかります。
おわりに
「どうする家康」では長篠の戦いがどのように描かれるのでしょうか。乞うご期待といったところですね。
参考文献・参考サイト
- 歴史探偵
- 「長篠の戦い」(2021年5月19日放送)
- 本郷和人
- 『変わる日本史の通説と教科書』(宝島社、2021年)
- 山本博文ほか
- 『こんなに変わった歴史教科書』(新潮社、2011年)
- 日本史の謎検証委員会編
- 『最新研究でここまでわかった 日本史 通説のウソ』(彩図社、2021年)