おすすめの歴史小説 vol.11
はじめに
今回は池波正太郎さんの『真田太平記』シリーズを紹介します。
この作品はドラマ化されたほか、2016年の大河ドラマ「真田丸」の時に話題となりました。
物語に関係する出来事
『真田太平記』に関わる出来事を年表にまとめると以下の通りです。
- 1582年 高遠城の戦い・天目山の戦い→武田氏滅亡
本能寺の変→信長自害、山崎の戦い - 1583年 賤ヶ岳の戦い
- 1584年 小牧・長久手の戦い
- 1585年 第一次上田合戦。秀吉、関白就任
- 1587年 九州平定
- 1590年 小田原攻め・奥州平定→秀吉、天下統一
- 1592年 文禄の役
- 1597年 慶長の役
- 1598年 秀吉死去
- 1600年 関ヶ原の戦い。第二次上田合戦
- 1603年 家康、征夷大将軍に就任
- 1611年 真田昌幸死去。
- 1614年 大坂冬の陣。真田幸村が真田丸で活躍。
- 1615年 大坂夏の陣。幸村戦死。豊臣家滅亡
- 1616年 家康死去。
- 1622年 真田信之が信濃松代藩へ入部
この物語の見どころは次の3つです。
①天下人の物語
物語を通観しているのが、天下人の変遷です。この物語には織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の3人の天下人が登場します。物語を通じて信長から秀吉、そして家康へと時代が変わっていく様を感じ取ることができます。
②忍び達の物語
この物語は忍びの物語でもあります。秀吉や家康が勢力を伸ばす水面下ではお江、壺谷又五郎、佐助など草の者(真田忍び)と山中大和守俊房、猫田与助など甲賀山中忍び(徳川方の忍び)が鍔迫り合いを繰り広げていました。彼らの暗躍なくしては秀吉や家康も天下を取ることはできなかったのではないかと思わされます。
忍び達の活躍にも注目です。
③真田の生き様
この物語で欠かせないのが真田の者たちです。
彼らは生き残るため武田・織田・北条・徳川・上杉・豊臣に服従する一方で、自らの領地を守るため北条や徳川を相手に戦いました。
昌幸・信幸(信之)・信繁(幸村)の三者三様の生き様も見どころです。
おわりに
戦国の世を天下人の変遷という大局、忍びという影の立役者、真田といういち戦国大名の3つの立場から描いた作品です。どれもが関わり合って歴史が動いていることに気付かされるでしょう。