偉人の迷言 vol.2

はじめに

今回は「偉人たちの迷言」第2弾として、3人の文豪の迷言を紹介します。

宮沢賢治の迷言

1人目が宮沢賢治です。主な作品に『銀河鉄道の夜』や『注文の多い料理店』があります。また、「雨ニモ負ケズ」の詩も有名です。
宮沢は教員だった時、夜中に教え子たちを起こしてこう言いました。

これからこの雪の上を歩いて行こう。途中川があろうと田んぼがあろうと、あの山の下の花巻温泉まで歩いて行こう

*1真山知幸『偉人名言迷言事典』(笠間書院、2021年)

しかし、はるばる歩いてきたにもかかわらず、花巻温泉は空いていませんでした。

菊池寛の迷言

2人目が菊池寛です。主な作品に『父帰る』や『恩讐の彼方に』があります。
ちなみに、文藝春秋や芥川賞、直木賞を作ったのもこの人です。

次に、菊池寛です。菊池はギャンブルに対してこのような迷言を残しています。

手をつけてはいけない金に手をつけてからが本当の勝負だ

※注意:良い子は絶対に真似をしてはいけません。

太宰治の迷言

3人目が太宰治です。主な作品に『斜陽』や『人間失格』があります。なお、中学校の国語で扱う『走れメロス』を書いたのも太宰です。
太宰は執筆のため熱海旅館にいたものの、宿泊代金が払えなくなってしまいました。
そこで、菊池寛にお金を借りに行くため、友人の檀一雄を人質として旅館に置きました。しかし、太宰は戻ってきませんでした。
そのため檀が太宰を探しに行くと、太宰は井伏鱒二の家で将棋をさしていました。怒り心頭の檀に対し太宰はぽつりと一言。

待つ身が辛いかね。待たせる身が辛いかね

*2檀一雄 『小説 太宰治』(岩波現代文庫、2000年)

この迷言には「ちょっと何言っているかわからない」とつっこむしかないですね。

おわりに

こうして見てみると、文豪にも迷言の一つや二つはあるようです。

参考文献・参考サイト

真山知幸
『偉人名言迷言事典』(笠間書院、2021年)
進士素丸
『文豪どうかしてる逸話種』(KADOKAWA、2019年)
檀一雄
『小説 太宰治』(岩波現代文庫、2000年)