昆布ロード

はじめに

夏休みに突入しましたね。中には旅行やレジャーの計画を立てている人もいるかもしれません。
私が子供の頃は毎年富山を訪れていました。その際、鱒寿司といったご当地グルメのほか、昆布締めやとろろ昆布といった昆布料理をよく食べたものです。
それにしても、なぜ富山には昆布料理が多いのか、ずっと謎でした。しかし最近になって北前船が関わっていることを知りました。

北前船とは

北前船とは、江戸時代から明治時代にかけて、大阪〜蝦夷地(今の北海道)間を航行した船です。蝦夷地で昆布・ニシンなどの海産物や〆粕(肥料の一種)などを仕入れ、東北・北陸・山陰・瀬戸内といった寄港地に仕入れた品を売り捌いていました。

北前船

昆布を用いた料理

その結果、各地で昆布を使った料理が生まれました。
北海道で昆布巻きが、福井で棒巻きが、大阪でバッテラが作られました。

さらに、富山の薬商人は昆布を薩摩藩に提供していました。当時、薩摩藩は清と琉球(今の沖縄県)を通じて密貿易を行なっており、昆布を輸出する代わりに漢方薬の原材料などを輸入していました。
そのため琉球にも昆布が伝わり、クーブイリチー(昆布炒め)、クーブジュシー(昆布を使った炊き込みご飯)といった昆布を使った沖縄料理が登場しました。

おわりに

こうして見てみると、北前船は各地の「食」も繋いでいったのだと実感しますね。

参考文献・参考サイト

読売新聞北陸支社
『北前船 -日本海こんぶロード-』(能登印刷出版部、1997年)
農林水産省「昆布巻き 北海道 | うちの郷土料理」
(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/kobumaki_hokkaido.html)(参照:2022-07-31)
農林水産省「昆布巻き/棒巻き 福井県 | うちの郷土料理」
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/kobumaki_fukui.html(参照:2022-07-31)
農林水産省「バッテラ 大阪府 | うちの郷土料理」
(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/39_5_osaka.html)(参照:2022-07-31)
農林水産省「クーブイリチー 沖縄 | うちの郷土料理」
(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/47_2_okinawa.html)(参照2022-07-31)